幽霊部員は部長に呼び出された。
「一人軍隊の手伝いを差し出せと言われたが、みんな部活で忙しい。おまえなら練習にも出てこないから人質に差し出すのに丁度いい」
「えー!」
幽霊部員はラバウルに派遣されて食堂の手伝いをやらされた。
しかし部隊がブインに移動になり、幽霊部員も移動した。
そこで敵軍の大空襲があった。
「うわ! 死ぬ!」と思ったが、幽霊部員は運良く死ななかった。
でも、職場のイジメに遭って幽霊部員は自殺してしまった。その事件は、内密に処理するため、幽霊部員は戦死扱いにされた。
無念すぎて、幽霊部員はブインの幽霊になった。
(遠野秋彦・作 ©2021 TOHNO, Akihiko)